Linda Ronstadt
It’s So Easy (1977)
リンダ・ロンシュタットは1967年にストーン・ポニーズというバンドのヴォーカルとしてデビューしたが、1曲だけ売れた後で解散して、ソロで再デビューした。
彼女は作詞も作曲もしないし、彼女のために書かれたオリジナル・ソングを歌うこともない。
彼女が歌う楽曲はすべて、他のアーティストが過去に発表した曲のカバーのみと、徹底している。
まるで「逆中島みゆき」である。
中島みゆきはカバーはもちろん、他人が書いた曲を歌ったことがない。その理由が、「どういう気持ちで歌えばいいのかわからないから」ということらしいが、それで言うとリンダ・ロンシュタットにはきっと、他人の書いた脚本を巧みに演じる、女優のような才能があるのだろう。
リンダ・ロンシュタットは他のアーティストの過去のヒット曲をカバーして、再び新しい時代に生き返らせた。「悪いあなた」は全米1位を獲得したし、TOP40入りしたシングルは他に17枚もある。それらの曲のソングライターたちも、オリジナル・バージョンの歌い手たちも、きっとリンダが、曲に新たな生命を授ける女神のように見えたことだろう。
わたしは彼女のヒット曲の多くが、オリジナルよりもオリジナルみたいに感じることが多々ある。歌に新しい命を吹き込む天才だ。
この曲はバディ・ホリー&ザ・クリケッツの1958年のシングルだ。オリジナルはチャート入りしなかったが、リンダのバージョンは全米5位の大ヒットとなった。
わたしはバディ・ホリーを心からリスペクトするファンでもあるが、この曲もまたリンダのバージョンの方がよく出来ていて、生き生きとして、素晴らしいことを認めざるを得ない。
リンダの可愛らしい見た目とギャップのある、パンチのある歌声がよく合っている曲だ。
アレンジも完成度が高く、バックの演奏もいい。
↓ バディ・ホリーのオリジナル。
(Goro)