L7/プリンテンド・ウィ・アー・デッド (1992)

L7 – Pretend We're Dead | Releases | Discogs

【90年代ロックの快楽】
L7
Pretend We’re Dead (1992)

L7は、ストゥージズとモーターヘッドが大好きというロサンゼルスの女子4人で結成されたバンドだ。

1987年に1st『L7』でエピタフからデビューし、シアトルのサブ・ポップに移籍してからはニルヴァーナやマッドハニーらといっしょにドサ回りツアーをした。この3組はずいぶん仲良しだったことが当時の雑誌などで紹介されていたものだ。

女子のみのバンドと言っても、彼女たちは色気のかけらもない、まさに「グランジ」の称号がぴったりのやさぐれ女たちだった。

テレビのバラエティ番組でヴォーカルのドニータが股間を丸出しにしたり、レディングフェスティバルで、股間からタンポンを抜いて観客に投げるという、語るも穢らわしい逸話で当時話題になったものだった。下の動画でもやはり最後は脱ぎ出す始末だ。

この曲は当時のグランジブームに乗っかり、メジャー・デビューとなった3rdアルバム『ブリックス・アー・ヘヴィ(Bricks Are Heavy)』からのシングルで、米オルタナティヴ・チャートで8位まで上昇した代表曲だ。

プロデューサーは当時ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』を手掛けたことで一気に有名になった、ブッチ・ヴィグである。

独創的な曲を書くわけでもなかったが、彼女たちの可愛げのないバカ丸出しのパワフルなパフォーマンスは、正直、わたしはランナウェイズやゴーゴーズよりもカッコイイ♡と思ってしまう、根がどうにもこうにも品性下劣な人間である。

わたしもその作品の一部しか知らないのでファンと言えるほどではないし、良い子の皆さんとまともな社会人の方には特にお薦めもしないけれど、この令和の時代に、こんな昭和の芳醇な香り漂う彼女たちを紹介できるのはなんだかとても嬉しい。しかもクリスマスという聖なる日に。

(Goro)