Joni Mitchell
Both Sides Now (1969)
ジョニ・ミッチェルはカナダ出身のシンガー・ソングライターだ。
ニール・ヤング、レナード・コーエン、そしてザ・バンドのメンバーも1人を除いてカナダ人である。
なんとなく共通するものがあるだろうか。
流行にあまり関係のない、関心もなさそうな、独自の音楽の道を行く人たち。そこに何かじんわりと漂う哀愁のようなものがある気もする。そして、その内側に秘められた強情なほどの情熱。少なくともわたしが彼らの音楽に惹かれるのはそんな部分だ。
ジョニ・ミッチェルは比較的近年に聴くようになったので、わたしはまだそれほどたくさんの曲を知っているわけではないけど、とてもリスペクトしているシンガーだ。
女性の可愛らしさやお色気をまったく売りにしていないところが(失礼なのか?)、この人の音楽の良いところだ。まるでベテランの音楽教師のような、音楽に対する厳しさを感じる。
悪い意味ではなく、生真面目な音楽、というイメージだ。
そこがわたしは好きだ。
不真面目な音楽も面白いけど、生真面目な音楽もまた面白い。
いろんな音楽があったほうが楽しい。
これはジョニ・ミッチェルが書いた曲だけど、先にジュディ・コリンズが1968年にシングル・リリースし、ヒットさせている。
ジュディ・コリンズのバージョンはストリングスも入った華やかでポップなアレンジだ。
でもわたしはこちらの素朴かつリアルガチ感が素敵な、ジョニ・ミッチェル自身のバージョンのほうを好んでいる。
↓ 1968年10月にリリースしたジュディ・コリンズによるシングル。全米8位、全英14位のヒットとなった。
(Goro)