John Lee Hooker
Boom Boom (1962)
米ミシシッピ州出身のジョン・リー・フッカーは、1949年に32歳でレコードデビューし、83歳で老衰でこの世を去る2001年まで、50年以上もの長きにわたって活動を続け、愛され、尊敬を集めたブルースマンだ。
ブリティッシュ・ビートの影響でちょうどブルース・ブームの真っただ中だった60年代のヨーロッパをツアーして熱烈な歓迎を受け、70年代はカリフォルニアに移住して、ロック・ミュージシャンたちと活発に共演した。
1980年には映画『ブルース・ブラザーズ』にストリート・ミュージシャン役で出演し、街角でこの曲を演奏しているシーンが印象的だった。ブルースなんてまだまったく知らない十代のわたしのような若者にまで「なんてカッコいいジジイなんだろう!」とその存在を知らしめたものだ。そうか、あの映画のときのジョン・リーはすでに60歳を過ぎていたんだな。
90年代にはロックの殿堂入りを果たした。キース・リチャーズやヴァン・モリソン、ジョニー・ウィンター、ピート・タウンゼント、マイルス・デイヴィスなど、音楽界たちのレジェンドたちと幅広く共演を重ね、死の数カ月前までレコーディングに参加するなど、ブルースマンとして輝かしく、そして幸福だったであろう人生を送った。
「ブーン・ブーン」は1962年5月にリリースされたシングルで、米R&Bチャート16位のヒットとなった。ジョン・リーの中では最もポップと言える曲でもあり、彼の代表曲として広く知られている。
1964年11月にはアニマルズによるカバーがシングルでリリースされ、全米14位のヒットとなった。
実にやんちゃな、〈キング・オブ・ブギ〉である。
こんな野蛮なものをクールに歌うジョン・リーがどうにも素敵だ。
都会的なひ弱さなどこれっぽっちも無い、原石みたいにゴツゴツしたブルースだけど、どこかロックンロールのスピード感やフィーリングを感じるのだ。
↓ ジョン・リー・フッカーのオリジナル。ちょっとだけバイきんぐ小峠に似てるな。
↓ 全米14位のヒットとなったアニマルズによるカバー・バージョン。
(Goro)