ジミー・クリフ/遥かなる河 (1969)【’60s Rock Masterpiece】

【’60s Rock Masterpiece】
Jimmy Cliff
Many Rivers to Cross (1969)

ジャマイカのアーティスト、ジミー・クリフの代表曲だ。

1969年にリリースされた3rdアルバム『ジミー・クリフ』に収録された曲だ。

当時彼はアイランド・レコードと契約してイギリスに移住し、ビートルズやローリング・ストーンズと肩を並べるような存在になることを夢見ていたが、レコードは売れず、25歳になってもクラブで歌う日々が続いていた。将来の展望も居場所もない不安がフラストレーションとなり、この曲を書かせたと言う。

いつまでこんな孤独が続くのか
もうひとりでいるのはうんざりなのに
彼女もおれのもとから去っていった
こんなとき、おれは泣いてもいいのかな

越えなきゃいけない河がたくさんあるんだ
でもどうやったらいいかわからない
毎日が、ムダに過ぎていく
恐ろしい罪を犯すことまで考えてしまう
(written by Jimmy Cliff)

胸に突き刺さる歌詞だ。わたしも若い頃にまったく同じことを思っていた時期があったものだ。

スケールの大きなメロディも感動的だが、社会の最底辺で生きる人間が世界に向けて必死で声を上げようとするかのような、素晴らしい歌声にグッときてしまう。

この曲は3年後に彼自身が主演した映画『ザ・ハーダー・ゼイ・カム』のサウンドトラック盤にも収録された。

その映画の成功で彼は、世界的に認知された、最初のレゲエ・アーティストとなった。

↓ 1975年9月にリリースされたリンダ・ロンシュタットのアルバム『哀しみのプリズナー』に収録されたカバー。

↓ 1983年11月にリリースされた、UB40によるカバー。全英13位のヒットとなった。

(Goro)