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“Get on Up”
制作:ミック・ジャガー
監督:テイト・テイラー
主演:チャドウィック・ボーズマン
ジェームス・ブラウンの少年時代に始まり、革新的な音楽とパフォーマンスで手にした栄光への道程、そして1988年にドラッグをキメて銃を乱射し、駆けつけた警官隊とカー・チェイスをした挙句に逮捕されるまでを描いた、波乱万丈の音楽伝記映画だ。
少年時代の彼は極貧家庭に生まれ、親に虐待され、捨てられ、叔母の経営する酒場兼売春宿で育ち、成長するとスーツを盗んだ罪で逮捕され、刑務所に入ることになる。
さすがはJBだ。
いろんな音楽伝記映画を見て来たけれど、これより悲惨な少年時代は見たことがない。
その刑務所に慰安ライブに来たゴスペルグループのメンバー、ボビー・バードがJBの歌の才能に気づき、ボビーが彼の身元引受人となり、実家で同居しながらバンドを結成したところからJBの音楽人生が始まる。
ボビー・バードとは、「セックス・マシーン」で一緒に歌っている、あの彼である。
JBの代表曲もたっぷり聴けて、彼の天才的な才能や破天荒な性格による様々なエピソードやトラブルも描かれ、音楽伝記映画としては申しぶんない。
JB役のチャドウィック・ボーズマンは、顔はまったく似ていないけれど、歌も自分で歌っているし、JB独特のステップやダンスを頑張ってこなしている。ものすごく練習したんだろうなあ。それは顔が似ているかどうかよりも、重要なことだ。
あらためて、歌とダンス・パフォーマンスを一体化した「ショー」というものを確立したのはこの人だったんだなあと、再認識する。
マイケル・ジャクソンもビヨンセもマドンナも、もしかするとEXILEも欅坂46も、その源流はきっと、ジェース・ブラウンなのだ。
(Goro)