火花散る化学反応による最高傑作 〜エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ『ディス・イヤーズ・モデル』(1978)【最強ロック名盤500】#255

ディス・イヤーズ・モデル

⭐️⭐️⭐️⭐️

【最強ロック名盤500】#255
Elvis Costello & The Attractions
“This Years Model” (1978)

わたしがコステロでいちばん好きなアルバムがこれだ。

前作から8ヶ月という短いインターバルで1978年3月にリリースされた2ndアルバムだ。プロデュースは前作に引き続きニック・ロウが務めている。

コステロの唯一無二の声による辛口ポップと、アトラクションズの力強い刺激的なサウンドの、火花の散るような化学反応によって、楽曲がより際立って聴こえる。バンドに刺激を受けてか、コステロのソングライティングも急速に熟練したように充実している。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 ノー・アクション
2 ディス・イヤーズ・ガール
3 ザ・ビート
4 パンプ・イット・アップ
5 リトル・トリガーズ
6 ユー・ビロング・トゥ・ミー

SIDE B

1 ハンド・イン・ハンド
2 チェルシー
3 リップ・サービス
4 リヴィング・イン・パラダイス
5 リップスティック・ヴォーグ
6 ナイト・ラリー

シングル・カットされたB2「チェルシー」が全英16位、A4「パンプ・イット・アップ」が24位まで上昇した。アルバムは全英4位のヒットとなった。

コステロはパブ・ロックの一派ではあったが、パンクの要素もあれば、一足早いニュー・ウェイヴの要素もあった。その流れのど真ん中にいて、しかも商業的にも成功しているにも関わらず、見た目や名前も含めてなんとなく異質な存在である。真面目なのか不真面目なのかわかりかねるような。なんとなく、ちょうどこの頃日本でデビューした、サザンオールスターズの桑田佳祐を彷彿とさせるところがある。

ポップ・センスとユーモアのセンスに溢れ、奇抜なアイデアと職人的な作曲技法を備え、唯一無二の声にも恵まれた、ロック界でもほんの一握りのアーティストしか持ち合わせていない才能の持ち主だ。

本作を何年ぶりかに聴いてみたけれども、やっぱり今聴いても鮮烈だ。これがたった24歳の仕事かと思うとため息が出るほどだ。やっぱりたいした才能だ。ジャケもまたカッコいいな。

↓ シングル・カットされ全英24位のヒットとなった初期の代表曲「パンプ・イット・アップ」。このMVの終盤、何回も足をグネってるけど大丈夫なのかなと、昔から気になって仕方がない。

↓ 全英16位のヒットとなった「チェルシー」。ブルース・トーマスによるベース・ラインがカッコいい。また、とっくにシンセサイザーが流行している時代に、あえて古くさいコンボ・オルガンていうのがまたいい味出してて好きだ。

(Goro)

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