ニール・ヤング『ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース』(1969)【わたしが選ぶ!最強ロック名盤500】#136

Everybody Knows This Is Nowhere [Analog]

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

【わたしが選ぶ!最強ロック名盤500】#136
Neil Young with Crazy Horse
“Everybody Knows This Is Nowhere” (1969)

なにはなくとも、ニール・ヤングである。

もしも意地悪な神様が突然現れて「この先おまえは、死ぬまで一人のアーティストしか聴けない。誰にする?」なんて言われたら、10秒ぐらいは迷うが、「じゃあ、ニール・ヤングで」とわたしは答えるだろう。

ニール・ヤングなんてもうすでにわたしは30年以上聴き続けている。最も好きなアーティストと言っても過言ではない。
にも関わらず、いまだに聴けていないアルバムが大量に残っているのだ。

なにしろ追いつかない。

今でも毎年、新譜やら過去ライブやら未発表テイクやらお蔵になっていたアルバムなどが、どしどしリリースされる。2020年以降の4年間だけでも、なんと16タイトルも発売されている始末だ。とにかく聴く方が全然追いつかないのである。

まあ神様がそう言うなら、残りの人生を、ニール・ヤングのまだ聴けていないアルバムと、今後もハイペースでリリースされる新譜を聴くことに費やすのも悪くない。

そしてそのときにはこのブログで【ニール・ヤングのアルバム全部聴いたる!】というシリーズ記事を書くのだ(需要あるかな、、)。

本作は、1969年5月に発表されたニール・ヤングの2ndアルバムだ。
『ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース』のタイトル通り、その後50年以上も共演を続けることになる盟友たち、クレイジー・ホースとの初めての顔合わせとなったアルバムだ。

【オリジナルLP収録曲】

SIDE A

1 シナモン・ガール
2 エヴリバディ・ノウズ
3 ラウンド・アンド・ラウンド
4 ダウン・バイ・ザ・リヴァー

SIDE B

1 ルージング・エンド
2 ランニング・ドライ
3 カウガール・イン・ザ・サンド

1stのフォーク・ロック路線から一転、ジム・メッシーナから譲り受けたオールド・ブラック(黒のレスポール)を手に入れ、クレイジー・ホースに出会い、豪快に歪んだヘタウマギターとキャッチーな歌メロの組み合わせというニール・ヤングの登録商標のようなあのサウンドが生まれた。

A1「シナモン・ガール」、A4「ダウン・バイ・ザ・リバー」、B3「カウガール・イン・ザ・サンド」はニールの初期の代表曲として知られている超名曲だが、わたしはA2「エヴリバディ・ノウズ」もまた好きだ。それ以外の3曲はスローなフォーク風の楽曲だが、しかし哀切なヴァイオリンと歌メロが心を揺さぶるB2「ランニング・ドライ」をはじめ、これらも今聴くと味わい深い。とにかくアルバムの最初から最後まで飽きずに楽しめる。

わたしが初めて本作を聴いたのは1990年頃だったけれども、ちょうど轟音ギターとキャッチーなメロディの組み合わせのオルタナティヴ・ロック・ブームが来ていた頃で、それを熱心に聴いていたわたしは「なんだ、ここに元祖みたいなのがいるじゃないか!」と思ったものだった。そこでハマったのが運のツキで、それ以降ニール・ヤングの大量の作品を聴き漁ることになった。

オールド・ブラックもこのアルバムで初めて使ってから50年に以上になるけれども、最近のステージの写真を見ても、やっぱり未だに使っているようだ。有名アーティストで、同じギターを50年以上も使い続けている人というのは他にもいるのだろうか? そろそろギネスブックに載るのかもしれない。

↓ クレイジー・ホースとのライヴでは定番となった代表曲のひとつ「シナモン・ガール」。いったいこのクールなカッコ良さはなんだ。

Cinnamon Girl

↓ 名曲がずらりと並んだ本作の中でも最大のハイライトと言える代表曲「カウガール・イン・ザ・サンド」。

Cowgirl in the Sand (2009 Remaster)

(Goro)