Madonna
Material Girl (1984)
世界で2,000万枚以上を売り上げた1984年の2ndアルバム『ライク・ア・ヴァージン』のオープニングを飾る曲だ。シングルカットされて、全米2位、全英3位の大ヒットとなった。
この世界はお金とモノが支配する世界
それ以外には興味はないわ
(written by Peter Brown, Robert Rans)
金やモノや肉体よりも、精神や思想や愛が大切だとされてきた70年代までの価値観を、金ピカのハイヒールで踏みにじるような歌だ。
当時はこの、人をナメきったような歌い方にも衝撃を受けた。
「なんてゲスいネーちゃんなんだ」と思った。
「でも好きだ」と思った。
わたしはまだ18歳だったのだ。
そんな感じでマドンナは颯爽とポップ・シーンに登場し、肉体を強調したり、下着で歌ったり、ヌードになったりと、女の武器をふんだんに使う潔さが逆にカッコ良く見えたものだ。
きっと当時のインテリ女史や、真面目なお母さんたちなんかは三角の目をして怒り心頭だったに違いない。
わたしが当時付き合っていた彼女も、わたしがレンタルしてきた『ライク・ア・ヴァージン』のあの胸を強調したアルバム・ジャケットを、淫売を見る目で眺めながら「男ってなんでこういうのが好きなのかねえ」と吐き捨てるように言ったものだった。
でも、男がビビるくらい「本当に強い女」というのは、男のマネをしてる女じゃなくて、男にはマネできない女なんだってことは男ならだいたい気づいているものだ。
マドンナのマネは、男には逆立ちしてもできない。
↓ 「マテリアル・ガール」をお手本にしたと思われる、レベッカの「ラブ・イズ・CASH」(1985)。
(Goro)