Aerosmith
Walk This Way (1975)
1975年という時代にラップというものがどの程度存在したのかよく知らないけれども、まだほとんど無かったのではないか。
少なくともわたしのまわりや、うちの近所にはなかった。学校にもなかった。
少しずつ世に出てきたのは1970年代末頃からのはずだ。
なのに、もうほぼ完成形みたいなラップがこの曲で歌われているのは驚きを超えて謎というほかない。まさかラップ・ミュージックの創始者がエアロスミスということはないだろうけれども。
ファンキーなリズム隊も、そしてジョー・ペリーの素晴らしくカッコいいギター・リフ(いい音だ)も、まるでミクスチャー・ロックそのものだ。その後1986年にはRUN DMCがあらためてヒップホップとしてカバーしているが、そんな必要もないほどすでに完成している。
色々な意味で画期的であり、そして単純に素晴らしくカッコイイ曲という意味でも、ロック史に残る名曲だ。
ちなみに発売当初は邦題が「お説教」というちょっとおふざけが入ったようなタイトルだった。
思うに、当時はまだラップというものが理解されず(あたりまえだ)、ハード・ロック・バンドのおふざけ的な楽曲ととらえられ、おふざけ邦題をつけたのではないかな、と想像する。きっと悪気はなかったはずだ。最近のCDでは一切その邦題を使わなくなったのでこのブログでのタイトルもそれに準じた。
(Goro)