
Sonic Youth
Kool Thing (1990)
ヴォーカルのみ女子であとは男子というロックバンドはいくらでもいるけど、ギターのみ女子とか、ドラムのみ女子というバンドは滅多にいない。
でもベースのみ女子というバンドはときどきいる。トーキング・ヘッズやピクシーズ、スマッシング・パンプキンズ、ポーグス、そしてこのソニック・ユース。日本のバンドにもサカナクションとかスーパーカーとかがいた。これはなんでだろう? ベースは、ギターやドラムより女子に向いているのか?
理由はよくわからないけど、でもベースのみ女子というバンドは、見た目が抜群に良い。カッコいいし、華があるし、セクシーだ(※個体差はあります)。
ベースを弾きながら歌い、最初に売れた女子と言えば、やはりスージー・クアトロだろう。
そして、ベースだけ女子のロック・バンドの元祖はというと、真っ先に浮かぶのはトーキング・ヘッズだ。
ソニック・ユースのキム・ゴードンも、トーキング・ヘッズのベーシスト、ティナ・ウェイマスに影響を受けたという。スージー・クアトロとティナ・ウェイマスとキム・ゴードン、この3人の影響でベース女子が増えたというのはあり得るかも知れない、と思う。
中でもわたしが好きだったのは、なんてったってキム・ゴードンだ。ベース女子界のゴッドねえちゃんといった貫録がある。
見た目もカッコよくて、当時の音楽誌での発言(社会問題から最近のお気に入りのバンドまで)もやたら影響力があったし、ファッションも個性的でブランドのデザイナーもやったりして、これはもうロック少女が憧れるにちがいない。
1990年6月にリリースされたアルバム『GOO』からの最初のシングル・カットとなった「クール・シング」は、米オルタナティヴ・チャート7位という、ソニック・ユースにとって過去最高のヒットとなった。
この曲でリード・ヴォーカルを取っているのはキム・ゴードンだ。そしてゲストにパブリック・エナミーのチャックDも参加している。
キムの知性的ともセクシーともとれる魅力的なヴォーカルと、妙に透明感があって美しいノイズが曲を独特のものにしている。疾走感のある、まさにクールな曲だ。
MVではあのゴッドねえちゃんがめずらしく胸の谷間を強調したりセクシーポーズをとったりしているのが楽しい。嬉しい。
(Goro)