『ヴードゥー・ラウンジ・アンカット』(2018)
The Rolling Stones
本作は、1995年にVHSビデオでリリースされた『ブードゥー・ラウンジ・ライヴ』と同じ音源で、2018年11月にBlu-rayとCDのセットで再発売されたものだ。ブードゥー・ラウンジ・ツアー中の1994年11月25日にフロリダ州マイアミのハード・ロック・スタジアムで行われたライヴの模様を収録している。
『ブードゥー・ラウンジ』からは4曲が披露されているが(「ラヴ・イズ・ストロング」を演っていないのはやっぱりアメリカで全然売れなかったからだろうか)、オープニングナンバーが、ストーンズが最初期によくライヴのオープニングで演奏した「ノット・フェイド・アウェイ」から始まることが象徴するように、何十年もライヴで演奏されていなかったであろう60〜70年代のマニアックな楽曲が多く演奏されているのが嬉しい。
- Not Fade Away
- Tumbling Dice
- You Got Me Rocking
- Rocks Off
- Sparks Will Fly
- Live With Me(ft.シェリル・クロウ)
- (I Can’t Get No) Satisfaction
- Beast of Burden
- Angie
- Dead Flowers
- Sweet Virginia
- Doo Doo Doo Doo Doo
- It’s All Over Now
- Stop Breaking Down(ft.ロバート・クレイ)
- Who Do You Love(ft.ボ・ディドリー)
- I Go Wild
- Miss You
- Honky Tonk Women
- Before They Make Me Run
- The Worst
- Sympathy for the Devil
- Monkey Man
- Street Fighting Man
- Start Me Up
- It’s Only Rock’n Roll
- Brown Sugar
- Jumpin’ Jack Flash
9〜11の、アコースティックギターに持ち替えて演奏するコーナーがあるのは、この次のアルバム『ストリップト』に収録するためでもあったようだ。
キースのギターも、以前のひしゃげたようなノイジーな音から、歪ませずに硬質な音で弾かれることが多くなり、ベーシストも交替したせいかサウンドの印象がスティール・ホイールズ・ツアーとは随分違う。演奏もストーンズらしいラフなものに戻りつつある。
そしてまたしてもゲストがいろいろ出てくる。冒頭のウーピー・ゴールドバーグのMCなんてまったく収録しなくてよかっただろうし、シェリル・クロウは嫌いなアーティストではないのだけど「リヴ・ウィズ・ミー」はあまり上手くいってるとは思えない。
しかしストーンズにとっては師匠格のボ・ディドリー先生はもう有り難く拝聴するしかないだろう。ロバート・クレイもまあ良い選曲なので許そう。
(Goro)