ザ・ヴァセリンズ/サン・オブ・ア・ガン (1987)

Son Of A Gun [Analog]

【80年代ロックの快楽】
The Vaselines
Son of a Gun (1987)

スコットランド出身のユージン・ケリーとフランシス・マッキーによる男女ユニット、ザ・ヴァセリンズが1987年にリリースしたデビューEPの収録曲だ。

ヴァセリンズはその後、EPをもう1枚とアルバムを1枚リリースしたものの、商業的な成功を得られず1990年に解散してしまった。

しかしその年、ニルヴァーナが英BBCラジオの名物番組《ジョン・ピール・セッション》でヴァセリンズのカバーを2曲披露し、それが1992年に発売された編集盤『インセスティサイド』に収録されると、ヴァセリンズは突然世界的な注目を浴びることになった。わたしも、そのニルヴァーナによるカバーを聴いて初めてヴァセリンズの名前を知り、CDを買いに走ったひとりである。

この曲もニルヴァーナがカバーしたうちの1曲だ。

ノイジーなギターのオルタナ風のイントロから始まり、ユージンの朴訥としたヴォーカルに、田舎娘がお誕生日会で歌っているようなフランシスの純朴な歌声。

根はオルタナでありながら、ロックからはあえて脱線してみせる、ユーモアとポップに溢れたメロディー、ミスマッチ感と脱力感とちょっぴりの毒の風味がヴァセリンズの魅力である。

Son Of A Gun

↓ ニルヴァーナによるカバー。

Son Of A Gun (BBC John Peel Session 1990)

(Goro)