Bob Dylan “The Bootleg Series Vol. 12: The Cutting Edge 1965–1966”
ブートレッグ・シリーズの第12集は、65年から66年という『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』という、名作3連発の黄金期のアウトテイク集。
待ってました!と言いたいところなのだが、しかしまたしてもCD6枚組、111曲、Disc3に至っては「ライク・ア・ローリング・ストーン」のみで、リハーサルや楽器別のトラックなどの音源が20連発と、さすがにげんなりしてしまう。
まあそれでも、最初は3拍子だった「ライク・ア・ローリング・ストーン」が何度も修正を重ねて4拍子になったり、だんだん形が変わって完成形に近づいていく様はドキュメンタリーを見ているみたいで意外と面白かったけど。映像と字幕があればもっと面白いのだけれど。でもさすがに楽器別のマスター・トラック4連発はいらんな。
まあでも、こういうのを聴けば聴くほど、完成形の素晴らしさをあらためて思うし、そうなるとやっぱり、ここまで出す必要があるのか?とも思ってしまう。いや、出すのは経済活動なのでいいけれども、ここまで聴く必要があるのか、ということだろう。
まともな人は一生完成形だけを聴いて楽しむ、平穏な人生を送ることをお薦めします。
どうしても聴きたいという奇特な方には、ここから36曲を選んだCD2枚組の『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ1965-1966』も発売されています。
↓ 「女の如く(Just Like a Woman)」のテイク1。何が面白かったのか知らないけど、ディランが途中で吹き出している。