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Creedence Clearwater Revival
“Green River” (1969)
C.C.R.はこの時代のアメリカのバンドでは、わたしが最も好きなバンドのひとつだ。
フロントマンでソングライターのジョン・フォガティがやろうとしている音楽は明快である。
サンフランシスコで活動していた彼らだが、しかし、彼らは当時その地で流行していたサイケデリックなど最新のロックには背を向け、遠く深南部を見つめていた。余計なものを削ぎ落とした、シンプルで歯切れのいいサウンドの、アメリカン・ロックの根っこを再認識させるような音楽性は、後のサザン・ロックの先駆であり、本作によって完成された。
本作は1969年8月にリリースされたC.C.R.の3rdアルバムである。
【オリジナルLP収録曲】
SIDE A
1 グリーン・リヴァー
2 コモーション
3 墓石の影
4 すべての人に歌を
SIDE B
1 バッド・ムーン・ライジング
2 ローダイ
3 クロス・タイ・ウォーカー
4 黒い陰謀
5 ザ・ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム
B5のみR&Bシンガー、ナッピー・ブラウンのカバーで、他はすべてジョン・フォガティの作だ。
シングルカットされたのはA1「グリーン・リヴァー」とB1「バッド・ムーン・ライジング」で、両曲とも全米2位の大ヒットを記録している。
ジョン・フォガティは1997年に次のように語っている。
「おれが気に入ってるアルバムは『グリーン・リヴァー』だ。「バッド・ムーン・ライジング」「グリーン・リヴァー」、こういうのがおれが暮らしている音楽の世界の根っこの部分なんだ」
わたしもこの2曲はC.C.R.の真髄のような曲だと思っているけれども、もうひとつ、B2「ローダイ」を忘れてはならない。これがわたしが本作で1番好きな曲だ。
「ローダイ」とはカリフォルニアの地名で、お客が入らない辺鄙な場所でライヴをしなければならないバンドの苦労を歌った歌なのだそうだ。カントリー風のシンプル極まりない曲だけれども、何度聴いてもグッとくる味わい深さがある。
そしてスローテンポのA4「すべての人に歌を」はフォガティ自身の夫婦生活のトラブルについて歌った歌だが、これも印象的な曲だ。
当時はもうロックはアルバム単位で聴く時代で、コンセプトアルバムなんてものも大流行してた頃だが、C.C.R.は(というかジョン・フォガティは)、あくまで「流行歌」を意識したラジオ向きの曲をシングルでヒットさせることにこだわっていたように思える。
それはきっと、彼の愛する40~50年代のブルースやカントリー、ロックンロールがそういうものだったからではないかなと想像する。
↓ 全米2位の大ヒットとなった「バッド・ムーン・ライジング」。
↓ 本作ではわたしがいちばん好きな曲「ローダイ」。
(Goro)