
Sheryl Crow
Strong Enough (1993)
1993年8月にリリースされた1stアルバム『チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ(Tuesday Night Music Club)』からのシングルで、全米5位の大ヒット曲。
シンプルなメロディとサウンドに、リアルな感情が込められた、いろんな思いを掻き立てられる歌だ。
常に真剣に、人生と向き合って生きている女性が、彼を本気で愛そうとしているほど、相手はそうでもないようで、イラついてる。
彼女は彼を、人生のハードな場面で逃げ出しそうな男でないことを願っているけど、どうやらそれほどの覚悟は男のほうにはないらしい。
「あなたはわたしの男になる、充分な強さを持ってる?」と彼女は繰り返し訊く。
ほとんどの男は、そう訊かれたら「ごめんなさい」と言って、逃げ出してしまう気がする。
やっぱり、才色兼備のイイ女のパートナーにふさわしい男はそうそう見つかるものではないのだ。
わたしなどはそんな女性の前では、ミドリムシぐらいの存在でしかない。間違って踏みつぶしてもらえたら、それだけで幸せである。ただし、今世は無理としても来世では「あなたはわたしの男になる、充分な強さを持ってる?」と訊かれたら、「イエース」と答えられる男になりたいものだ。
この曲を収録したシェリル・クロウのデビュー・アルバムは、1度は完成したものの、そのプロデュース・ワークを彼女は気に入らず、「自分のやりたい音楽とは違う」とレコード会社を説得して発売を中止させ、再度録音し直したのだそうだ。
結果、録り直して発売されたデビュー・アルバムは、全米3位の大ヒットとなった。
たしかに彼女は、充分に強い。
ただし、彼女の声には、決して鉄の意志を持った完璧な女という感じだけではなく、人並みの弱さや、甘えたところや、子供っぽいところもチラチラ窺えるようところが、また感情を複雑にさせる。わたしが(世の男たちが)シェリル・クロウに惹かれる理由は、主にそこだと思う。
(Goro)