【カバーの快楽】
Bauhaus
Telegram Sam (1980)
Bauhaus
Telegram Sam (1980)
バウハウスが1stアルバム『イン・ザ・フラット・フィールド』をリリースしたその1ヶ月後、1980年12月に発売されたシングルだ。言わずと知れた、T.レックスの1972年の大ヒット曲のカバーだ。
アルバムはメロディがどうとかグルーヴがどうとかの次元のものではなく、全身で暗黒の音響を浴びるように体感するような、前衛的な作品だった。
しかしこの「テレグラム・サム」では、また彼らの別の一面を見せている。
ダークな雰囲気はそのままだけれども、普通にギターとビートがカッコいい、エッジの効いたアグレッシヴな電報サムだ。
このカバー・シングルは、英インディ・チャートで3位まで上昇し、バウハウスにとってキャリア最高位のヒットとなった。
バウハウスはその後、ボウイの「ジギー・スターダスト」もカバーしているし、グラム・ロックへの傾倒が根底にはあるのだろう。
だから、かなり実験的で攻撃的な音作りであってもも、根底にグラム的なエンターテイメント性があるから、わけのわからん前衛音楽にはならずに済んでいるのかもしれない。
Bauhaus – Telegram Sam
↓ 1972年に全英1位の大ヒットとなった、T.レックスのオリジナル。
T.Rex – Telegram Sam
(Goro)