⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
“Ray”
監督:テイラー・ハックフォード
主演:ジェイミー・フォックス
音楽:レイ・チャールズ
レイ・チャールズの半生を描いた音楽伝記映画。
音楽伝記映画を見ていると、よく出てくるテーマというものに気づく。
「幼児期のトラウマ」
「家族との愛憎」
「グループ結成の経緯」
「レコードデビューの経緯」
「名曲誕生秘話」
「栄光と凋落」
「恋人・結婚」
「浮気・愛人」
「仲間の裏切り・決別」
「麻薬・アルコール依存の苦悩」
「逮捕・裁判・服役」
この作品はそれらがほぼ全部出てくる盛大なフルコースである。そのうえレイ・チャールズの場合は「盲目」というテーマまである。
しかし子供の頃は別として、あんまり盲目であることを苦にしてもいないようなのが面白い。やはり耳が抜群に良いらしく、出入り口がどこかとか、周囲の状況もだいたい音や声でわかると言う。
さらに、ギャラを貰うときは騙されないように全部1ドル札で要求したとか、寄ってくる女性が美人か不美人かを、手首を触って判断してお持ち帰りしたとか、へー、なるほどなー、と感心しながら見る。
レイ・チャールズ役のジェイミー・フォックスはもう、本物にしか見えないほどだ。
顔はもともとそんなに似ているわけでもないのに、特に歌っている時の表情や体の動かし方がそっくりだ。途中からもう、本人だと思って見ていた。
素晴らしい演技が評価され、ジェイミー・フォックスは第77回アカデミー主演男優賞を受賞した。
黒人の主演男優賞受賞は、史上3人目だった。
……3人。
いくらなんでも少なすぎだな。
(Goro)