⭐️⭐️⭐️
“Rock ‘n’ Roll High School”
監督: アラン・アーカッシュ
出演:PJ・ソールズ、メアリー・ウォノロフ、ラモーンズ
音楽:ラモーンズ
B級映画の帝王、ロジャー・コーマン制作であり、とにかくB級だ。
監督もキャストも素人に毛が生えたみたいなレベルのような作品だ。
でも、このなんだかわからないロックンロールへの情熱とエネルギーとぶっ飛んだパワーは凄い。
超堅物でロック嫌いの女校長と、ロックンロールに熱狂する生徒たちとの闘いを描いたナンセンスなコメディ映画だ。
40年前の作品なので全ギャグスベるのは仕方ないし、とことんB級なので真面目に映画鑑賞をするつもりで見るべきではない。
ロックのレコードの山積みして燃やす校長vs学校にダイナマイトを仕掛けて爆破する生徒たちの闘いという、ハチャメチャでパワフルなストーリーをラモーンズの音楽と共に楽しむというのが正しい楽しみ方だと思う。
ロックンロールのシンボルとして登場するのが、この作品ではラモーンズなのだ。
世界最高のロックンロール・バンド(間違ってはいないけれど)として若者たちが熱狂する、まるでビートルズのような堂々たる扱いには、わたしのようなラモーンズ・ファンでも、よくここまで推せたな、とたじろぐほどだ。「もしもラモーンズが世界でいちばん人気のあるロック・バンドだったら」というパラレル・ワールドものなのかと一瞬思ったほどである。
ラモーンズは特別出演とかではなくわりとガッツリ出ていて、ライブ・シーンもたっぷりあるし、照れくさそうに小っちゃい演技をするシーンも結構出てるので、ラモーンズ・ファンにはもちろんオススメだ。
あの、パンクの元祖にも関わらずなぜかブレイクできなかったラモーンズが、世界最高のロックンロール・バンド(間違ってはいないけれど)として大人気だった時代があったかのような幸せな錯覚に陥ることが出来る。
逆に、ラモーンズにはまったく興味がない、という人はまあとくに見る必要はないわな。
(Goro)