パワー・オブ・ドリームス/ 100 ウェイズ・トゥ・キル・ア・ラヴ (1990)

Power Of Dreams – 100 Ways To Kill A Love – Vinyl (12", EP), 1990 [r1909052] | Discogs

【90年代ロックの快楽】
Power Of Dreams
100 Ways To Kill A Love (1990)

パワー・オブ・ドリームスはアイルランドのダブリン出身の4人組のバンドだ。1989年にデビューした。

この「100 Ways To Kill A Love」は1990年にリリースされた彼らの1stアルバム『イミグランツ・エミグランツ・アンド・ミー』からのシングルで、本国アイルランドのシングル・チャートで20位まで上昇するヒットとなり、彼らにとってのブレイク作となった。

この当時はまだメンバー全員17〜18歳と、むせかえるほど青臭い、青々とした青二才たちだった。

この曲もまさに十代のヤミクモな勢いそのままの、レモンスライスが満タンに詰まったレモンサワーみたいな、甘酸っぱくて爽やかでリーズナブルに酔えるロックンロールだ。

当時は渋谷陽一氏がやけにプッシュしたり、同郷の大先輩U2をやたらと目の敵にする発言などで面白がられ、キャッチーな曲調の親しみやすさもあって、日本で人気を得たバンドだった。

彼らのライブに、U2のボノが花束とチョコレートとB.B.キングのレコードとコンドームを送りつけて来たことに腹を立て、お返しにダイナソーJrのレコードとコンドームを送ったという逸話が当時はよく知られたものだった。

そんな、良くも悪くも若気の至りが満タンのパワー・オブ・ドリームスは、その後4枚のアルバムをリリースするも再びチャート入りすることはなく、ポリドールからも契約を切られ、1994年に解散した。

しかし2010年、アラフォーになった彼らは再結成してツアーを行い、2021年には27年ぶりとなるアルバムをリリースし、現在も活動中である。

(Goro)