【60年代ロックの名曲】
Roy Orbison
Evergreen (1962)
Roy Orbison
Evergreen (1962)
ビートルズ登場前夜、1962年の夏を舞台にした映画『アメリカン・グラフィティ』のちょうどあの時代に生まれた曲だ。いや、映画には出てこないけれども。
1962年にシングルとして発売されたものの、チャート入りはしなかった。
なのでこの曲はベスト盤などにもあまり入っていない。隠れた名曲といったほうがいいのかもしれない。
「Evergreen」とは、「常緑」「不朽」という意味で、音楽では、永遠に色褪せない名曲、という意味に使われる。まさにその名にふさわしい名曲だ。
わたしがこの曲を知ったのは、ニール・ヤングのおかげである。
彼の自伝にこの曲を絶賛する記述が出てきて、どんな曲だろうと興味がわいて聴いてみたのだった。
ピアノの美しいアルペジオにのせたバラードを、ロイ・オービソンがあの声で思い入れたっぷりに歌うと、一度聴いただけでグッと胸をつかまれた。聴くたびに涙が込み上げるような気持ちに襲われる。
人の営みに永久不変のものなんてなにひとつない。
それだから人の世はいつも哀しみの影に覆われているのかもしれない。
せめて音楽ぐらいは不朽であってくれれば、心の安らぎになるものだ。
(Goro)