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Mudhoney
“Every Good Boy Deserves Fudge” (1991)
米ワシントン州シアトル出身で、地元のインディ・レーベル《サブ・ポップ》に所属していたグリーン・リヴァーというバンドがふたつに分裂して出来たのが、マッドハニーとパール・ジャムだった。ぶっちゃけてしまうと、わたしはマッドハニーは大好きだが、パール・ジャムはいまいちピンとこない。
マッドハニーのデビューから1年後に、同じくサブ・ポップからニルヴァーナがデビューした。マッドハニーとニルヴァーナは大の仲良しで、音楽的にも互いに影響を与え合っていたという。
その後にやってきたグランジ・ブームでは、ニルヴァーナとパール・ジャムが大ブレイクし、シアトルとサブ・ポップはその源流として世界的な注目を浴びたが、マッドハニーはずっとマイペースだった。つまり、シアトルのグランジ系バンドのひとつとして注目も浴び、それなりに評価もされたが、商業的なブレイクとは縁がなかった。
でもマッドハニーは、それでよかった気がする。
本人たちはどう思っていたか知らないが、売れてやろうとか、歴史を変えてやろうとか、そんな気負いは彼らからは微塵も感じられない。マッドハニーのフロントマンであるマーク・アームもこう語っている。
「俺たちは別に画期的なことなんてなにもしてはいないよ。これまでなかったものを俺たちが発明したとか、そんなことは少しもないんだから」
彼らには当時の流行も、ロック・シーンもどうでもよかったにちがいない。オリジナリティすらも追求していないのかもしれない。ただ自分たちが好きな、昔からあるパンクやガレージ・ロックを引き継いだだけだったのだろう。
本作は1991年7月にリリースされた、マッドハニーの2ndアルバムだ。
【オリジナルCD収録曲】
1 ジェネレーション・ジェノサイド
2 レット・イット・スライド
3 グッド・イナフ
4 サムシング・ソー・クリア
5 ソーン
6 イントゥ・ザ・ドリンク
7 ブロークン・ハンズ。8 フー・ユー・ドライヴィン・ナウ?
9 ムーヴ・アウト
10 シュート・ザ・ムーン
11 ファズガン’91
12 ポーキン・アラウンド
13 ドント・フェード4
14 チェックアウト・タイム
クソやかましい歪んだギター、いっしょに絶叫したくなる歌メロ、無邪気な疾走感。これこそがいちばんカッコよくて正しいグランジの姿だと思う。
邦題の『良い子にファッジ』はよく意味がわからないが、調べてみると”Fudge”という単語には「でっちあげ」「ごまかし」「柔らかくて甘いキャンディ」「F××kの婉曲表現」などの意味があるらしい。確かに本作にはその全部の意味が、皮肉とともに含まれているように思える。
ちなみに、マッドハニーのギタリスト、スティーヴ・ターナーはマッドハニーの最高傑作に本作を挙げている。わたしもこのアルバムが一番好きだ。
↓ これぞ正しきガレージ・ロック。初期の代表曲「レット・イット・スライド」。
↓ 素朴な親しみやすい歌が口ずさみたくなる「グッド・イナフ」。
(Goro)
![Every Good Boy Deserves Fudge [Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/51cXzqc1imL._SL500_.jpg)

