
Sonic Youth
100% (1992)
カッコいいロックねーちゃんと言えば、この時代の女王はソニック・ユースのベーシスト、キム・ゴードンにとどめをさす。
彼女はヴォーカル&ギターのサーストン・ムーアのカミさんでもあったし、男勝りなイメージで、エロを売りにしたりもしないのだけど、カッコ良さだけではない、なぜか自然とにじみ出ているようなカワいらしさがあるのだ。これがロックねーちゃんの理想の姿なのかもしれない。
このMVでも、後ろでベースを弾いているだけなのに、いちばん印象に残るのはキムだ。まあ、他のメンバーが地味ということもあるのだけど、このカッコかわいいキムが見たくて、このMVを見ていたようなものだ。
なんて、アイドル視するような女王様では絶対ないのでこのへんでやめておくけど、この曲はグランジ・ブーム真っ盛りの1992年、引き出しの多いはずのソニック・ユースもきっちりグランジ・ブームの波に乗るような楽曲をシングル・カットしてきたのはさすがプロというか、リスナーの期待に応えてくれた感じだった。
とは言え彼らはニュー・ヨーク出身のオシャレな人種なので、シアトルの田舎者のようなグランジ・バンドなんかとは本当は違うのだけれども、当時はギターがうるさいアメリカのロック・バンドはなんでも「グランジ」と、一括りにして語られたものだった。もちろん、CDや雑誌が売りやすいからである。
この曲は米オルタナ・チャート4位まで上昇し、チャート・アクションで言えば、彼らの最大のヒット曲ということになる。
やっぱりソニック・ユースのギター・ノイズだけは、今聴いても特別に気持ちいいな。
(Goro)