Come As You Are (1991)
ニルヴァーナの代表曲と言えば「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」にちがいないし、あの一発でロックシーンがブッ飛ばされた感が当時もたしかにあった。
でもあれは従来のパンク・ロックやハード・ロックにまだ近い曲だった。本当に彼らの新しさやオリジナリティに驚かされたのはむしろこういう曲のほうだったと思う。
この曲は『ネヴァーマインド』からの2ndシングルとしてリリースされ、全米32位、全英7位のヒットとなった。
この曲もまたよくできた曲だ。
音に無駄がなく、カッコつけたところも、コケおどしもない。彼らはソングライティングで勝負するロックバンドだったのだ。シンプルだけど独創的なギターリフと、フックのある歌メロの組み合わせは、一度聴いたら忘れられない。
この特徴的なギターリフが、キリング・ジョークの「エイティーズ」やダムドの「ライフ・ゴーズ・オン」に似ていると指摘する者も当時はいて、そのためカートはシングル・カットすることを渋ったが、周りの説得によってリリースされたという。
2曲とも、ギターリフの雰囲気がなんとなく似ているだけで、歌メロのクオリティとなると味噌とクソほども違う。
そう思うと、ニルヴァーナの影響はものすごく大きかったけれども、しかしその後「ああこれはカート・コバーンの影響だな」と思える楽曲など、まったくと言っていいほど聴いたことがない。やはり真似して書けるようなものでもないのだろう。
※この記事は2017年3月に公開された記事を基に大幅に加筆・修正したものです。
(Goro)