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Rage Against the Machine
“Rage Against the Machine” (1992)
この衝撃的なジャケットは、1963年に南ベトナム政権が行った仏教徒弾圧に抗議し、ガソリンを被って焼身自殺した高僧をアメリカ人ジャーナリストが撮影した、世界的に有名な写真である。バンドはこの写真に対して深い敬意を表し、使用許可を得たという。
このジャケットに象徴されるように、米ロサンゼルス出身のバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは「社会的不正義への抗議」というメッセージを掲げ、政治や社会に対して抗議・糾弾する、過激な楽曲を発表した。
ただし、ノンポリのわたしは彼らの政治思想にはとくに共感しないし、そのアジテーションのようなラップ・スタイルのヴォーカルもそれほど好みというわけではない。
しかしファンクとヒップ・ホップとハード・ロックが融合したような、オリジナリティ溢れる硬質でダイナミックなサウンドとグルーヴ、それを牽引するトム・モレロのギターがたまらないほど好きなのだ。
レッド・ツェッペリンやブラック・サバスを思わせるヘヴィなリフ、独創的すぎる驚異のソロ、さらに変態的な技法で生み出す刺激的な音色やスクラッチなど、とにかく表現力の幅が広い変幻自在のギターは、90年代最高のギタリストと言っても過言ではないだろう。わたしにとってレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは、トム・モレロのギターを中心に聴くバンドなのだ。
バンドは1991年に結成。12曲入りのデモテープを自主制作し、地元のライブ会場で無料で配布したところ、このデモが業界内で話題になり、複数レーベルによる争奪戦の末、エピックとと契約した。
本作は1992年11月にリリースされた、彼らの1stアルバムだ。政治的でハードな内容にも関わらず、本作は300万枚を売る大ヒットとなった。
【オリジナルCD収録曲】
1 ボムトラック
2 キリング・イン・ザ・ネーム
3 テイク・ザ・パワー・バック
4 セトル・フォー・ナッシング
5 ブレット・イン・ザ・ヘッド
6 ノウ・ユア・エネミー
7 ウェイク・アップ
8 フィストフル・オブ・スティール
9 タウンシップ・リベリオン
10 フリーダム
トム・モレロが「デビュー作ではギターのエフェクトや重ね録りを避け、バンドのライヴ感をそのまま録りたかった」(プレミア・ギター誌 2008年)と語っているように、スタジオでもほぼライヴと同じようにプレイしたという。バンドのグルーヴと熱気がそのまま伝わってくるような生々しいサウンドになっているが、完成度の高さもまた驚異的である。
彼らのブレイクとその独創的なスタイルはロック・シーンに大きな影響を与え、90年代後半のミクスチャー・ヘヴィ・ロックの先駆けとなった。
↓ 全英1位を獲得した1stシングルで、代表曲となった「キリング・イン・ザ・ネーム」。
↓ レイジらしい跳ねるグルーヴ、独特のギターの質感も面白いオープニング曲「ボムトラック」。
(Goro)


