⭐️⭐️⭐️
Montrose
“Montrose” (1973)
米カリフォルニア州出身のモントローズは、エドガー・ウインター・バンドにいたギタリストのロニー・モントローズを中心に結成された4ピースバンドだ。ヴォーカルは後にヴァン・ヘイレンに加入するサミー・ヘイガーである。
本作は1973年10月にリリースされた彼らの1stアルバムだ。
レーベルのワーナー・ブラザーズは、モントローズをどう売り出せばよいかわからず、全米133位と、当初は売れ行きが鈍かったという。
翌年、アルバムは”Rock the Nation”というタイトルでヨーロッパでも発売された。ジャケットはメンバーの写真ではなく、なぜかピンクの透け透けブラウスを着た金髪巨乳女子のイラストに変更された。
このジャケット変更が功を奏したのかどうか(違うと思いたい)、ジワジワと国際的なヒットとなり、100万枚以上を売り上げ、1986年にプラチナ・ディスクを獲得した。一部の批評家は、本作を「アメリカ初のヘヴィ・メタル・アルバム」と評した。
【オリジナルLP収録曲】
SIDE A
1 ロック・ザ・ネイション
2 バッド・モーター・スクーター
3 スペイス・ステイション♯5
4 アイ・ドント・ウォント・イット
SIDE B
1 グッド・ロッキン・トゥナイト
2 ロック・キャンディ
3 ワン・シング・オン・マイ・マインド
4 メイク・イット・ラスト
触れればビリビリと感電しそうな、エネルギーが充満した激アツロックだ。重量級のヘヴィ・パンチャーでありながらフットワークも軽い、なぎ倒し、叩きのめすような、キレッキレのハード・ロックである。
中心人物のロニー・モントローズは、エドガー・ウィンター・グループ在籍中にアンフェタミンの過剰摂取で死にかけた経験をしたことから反ドラッグ・反アルコールを訴えるようになり、モントローズのメンバー全員にも、薬物やアルコールを一切使用してはならないという厳しいルールを設けたという。
この時代のハード・ロック・バンドでそこまでクリーンだったのはめずらしかったのではないかと思うが、だからこんなに演奏もバッキバキなのだろうか。確かに、ほろ酔いで演奏をしているヤツはひとりもいない感じには聴こえる。
8曲32分という短さがまた潔い。
もっと聴きたいのに、と思わせるぐらいで終わるのがいいんだな。
↓ 彼らの1stシングルにもなったオープニング・トラック「ロック・ザ・ネイション」。ロニー・モントローズの作だ。
↓ 2ndシングルで、バンドの代表曲の一つとなった「バッド・モーター・スクーター」。サミー・ヘイガーの作だ。
(Goro)