Kasabian – Underdog
カサビアンは好きだな。
21世紀デビューのバンドの中ではいちばん好きなバンドかもしれない。
なにしろ彼らの醸し出す不穏なムードがたまらない。
90年代ロックが好きなリスナーなら一聴してストーン・ローゼス、プライマル・スクリーム、オアシスを想起する、攻撃的で、グルーヴィーで、メロディアスなサウンドだ。
だからと言って彼らはただのモノマネバンドではない。90年代英国ロックを代表する3組の遺伝子を継ぎながら、さらに新しいサウンドを創り上げた変異株であり、60年代のブリティッシュ・ビートから代々進化しながら受け継がれてきた英国ロックの、血統書付きの末裔と言える。
この曲は3rdアルバム『ルナティック・アサイラム(West Ryder Pauper
Lunatic Asylum)』のオープニング・トラックだ。前2作より更なる進化を遂げたアルバムは、全英1位となった。この曲も攻撃的でありながらメロディアスでもあり、彼ら独特の野蛮な色気を放つカリスマ性の魅力にあふれている。
「アンダードッグ」とは「負け犬」みたいな意味らしい。
「おれは負け犬だ。子守唄を聞かされてるような人生だよ。でも決してこの列車から降りたりしない。降りずにずっと生きていくんだ」
というような歌詞の意味らしい。好きだなあ、やっぱり。
2003年にデビューして通算6枚のアルバムを発表し、「21世紀に最も成功した英国ロック・バンド」と評価されてきたが、2020年7月、ヴォーカリストであるトム・ミーガンが恋人の女性に暴行を働いて逮捕され、そのままバンドを脱退した。
現在はギタリストのセルジオ・ピッツォーノがヴォーカリストとなってツアーもこなし、先月には4年振りとなる新曲も発表した。カサビアンらしいカッコいい曲だが、なんとなく、リアム抜きのオアシス、みたいな寂しい感じは否めない。
脱退したトム・ミーガンは、なんと暴行を加えたとされる恋人と今年結婚し、ソロ活動も開始している。
ふーむ。。
たぶんバンドにもそのうち戻るんじゃないかな。。