【80年代ロックの快楽】
Tin Machine
Tin Machine (1989)
Tin Machine
Tin Machine (1989)
英国のストーン・ローゼスや米国のピクシーズ、ダイナソーJrなどが火種となった英米同時多発ロック革命が勃発した1989年、その衝撃波はロック界のスーパースター、デヴィッド・ボウイにまで大きな影響を及ぼした。
当時のデヴィッド・ボウイは、こう語っている。
1980年代、ソニック・ユース以外で最も説得力のある音楽はピクシーズだった。彼らの中には猟奇的なビートルズみたいな要素があると、いつも思っていた。(Rolling Stone誌インタビュー)
「猟奇的なビートルズ」というのも実に上手い表現だと思うが、わたしと同じぐらいかそれ以上にピクシーズの虜になってしまったボウイは、それまでのキャリアを投げ捨て、「過去の歌は二度と歌わない」と宣言し(のちに歌うが)、まさにソニック・ユースやピクシーズに強く影響を受けたバンド、「ティン・マシーン」を結成する。
この曲は1stアルバムに収められた、ティン・マシーンのテーマ曲的なナンバーだ。
バンドはじめたてのキッズのような、理屈抜きのシンプルなガレージ・ロックが微笑ましい。
ピクシーズどころか、ストゥージズのようでさえある。
残念ながらティン・マシーンは商業的には失敗し、アルバム2作で解散したが、支持者が決していなかったわけではない。わたしもそのひとりだ。
(Goro)
