ザ・クラッシュ/スペイン戦争 (1979)

London Calling

【70年代ロックの名曲】
The Clash
Spanish Boms (1979)

シングル曲でもないし、たぶんあまりクラッシュの代表曲としては選ばれないかもしれないけど、わたしはこの曲が凄く好きなので仕方がない。初めて聴いたときからずっと好きだ。

そもそもこの曲が収録された『ロンドン・コーリング』というアルバムはあまりに完璧すぎて、まるですべてがつながったトータルアルバムみたいに、どの曲を取り出してみても唐突感を否めない感じになってしまう。

この曲はジョー・ストラマーが書いた曲だ。1930年代のスペイン内戦で、ファシスト側に負けた共和主義者たちのヒロイズムを称賛するような歌だ。

スペインの内戦を題材にしたゴリッゴリに思想的な内容のわりにはものすごくポップで明るい曲だし、ジョー・ストラマーがメイン・ヴォーカルのはずなのに、ミック・ジョーンズの少年のような高い声のコーラスのほうが印象が強いし、ずっと同じパターンの繰り返しなのになぜか飽きないし、いろいろ破天荒で魅力的な曲だと思った。

他のパンク・バンドと比べてもクラッシュは別格的に面白いと思ったのは、こういうポップ・センスがあるからだった。

『ロンドン・コーリング』というアルバムは、10人いれば10通りのベストトラックが挙げられるようなアルバムだと思うけど、わたしにとってはタイトル曲はもちろんだけど、「しくじるなよ、ルーディ」とこの「スペイン戦争」あたりがこの名作アルバムのなかで最も好きなトラックだ。

いやそんなこと言ったらホントは「ロン・ゲム・ボヨ」もあるし、「死か栄光か」だって捨てがたいし、「四人の騎士」も好きだし…なんて言い出したらもうキリがなくなってしまうのである。

(Goro)