【70年代ロックの名曲】
The Band
Acadian Driftwood (1975)
The Band
Acadian Driftwood (1975)
ザ・バンドの6枚目のスタジオ・アルバム『南十字星(Northern Lights – Southern Cross)』収録曲。ロビー・ロバートソン作で、ヴォーカルはリチャード・マニュエル、リヴォン・ヘルム、リック・ダンコの3人だ。
「アケイディア」とは、カナダとアメリカの国境にある地域の名称で、16世紀にフランス人たちが移住した。その移住者たちをアケイディアンと呼んだ。
やがてこの地域は戦争に巻き込まれて英国に奪われ、アケイディアンたちは追放されると、米国を南下してルイジアナ州に移り住んだ。そこで彼らは「ケイジャン」と呼ばれるようになり、独特の言語や文化を守りながら暮らすことになる。
ケイジャン料理やケイジャン音楽も有名で、そのアコーディオンやフィドルを中心にしたケイジャン音楽の要素をこの歌は取り入れているというわけだ。
素朴でノスタルジックな曲調で、3人の声にガース・ハドソンの奏でるアコーディオンやピッコロ、バイロン・バーラインによるフィドルが絡み合って、豊かな「歌」が横溢する、完成度の高い名曲になっている。さすが、腕利き職人たちの匠の技という感じだ。
わたしはこの、独特の文化の香りがする歌が大好きだ。
Acadian Driftwood (Remastered 2000)
(Goro)