ゴリッゴリのベースがたまらない怪作 〜プライマス『ポーク・ソーダ』(1993)【最強ロック名盤500】#341

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【最強ロック名盤500】#341
Primus
“Pork Soda” (1993)

「ベースが凄いロックってなんかある?」なんて訊かれると、いつも真っ先にこれが頭に浮かんだものだった。でも実際に薦めたことはない。変態すぎるからだ。

プライマスは米カリフォルニア州で、ヴォーカル&ベースのレス・クレイプールを中心に1984年に結成された3人組だ。本作はプライマスの3rdアルバムとして、1993年4月にリリースされた。

【オリジナルCD収録曲】

1 ポーク・チョップス・リトル・ディティ
2 マイ・ネーム・イズ・マッド
3 ウェルカム・トゥ・ジス・ワールド
4 ボブ
5 DMV
6 オル・ダイヤモンドバック・スタージャン
7 ネイチャー・ボーイ
8 ウーンディッド・ニー
9 ポーク・ソーダ
10 プレスマン
11 MR.クリンクル
12 エア・イズ・ゲッティング・スリッパリー
13 ハンバーガー・トレイン
14 ポーク・チョップス・リトル・ディティ
15 ヘイル・サンタ

前2作は、アルバム・チャートの100位以内にも入らないセールスだったが、本作はなんと全米7位の大ヒットとなり、50万枚を売り上げた。米国のオール・ミュージック誌は「トップ10デビューを果たした最も奇妙なアルバムのひとつ」と評した。

一聴してわかる通り、ゴリッゴリの音の超絶ベースが主役だ。でもギターもカッコいいし、ドラムもたいしたものだ。歌メロはほぼ無いに等しく、もはやインストに近い印象だけれども、本当にインストだとちょっと難解っぽくなるので、やはりヴォーカルは無いよりあったほうがいい。

変態趣味のわたしはこのアルバムが大好きだ。

初めて聴いたときは、奇盤、あるいは怪作という印象だったけれども、繰り返し聴くうちに、それぞれの楽曲がよく工夫されていて飽きないし、前衛的な面もグロテスクな面もコミカルな面もあって、単純ではない魅力を感じるようになっていった。

今ではこの、ダークで奇妙な独特の世界がたまらない。

こんな変なジャケットのアルバムをイチかバチかで買った、若き日の自分を褒めてやりたい。

↓ ベースのゴリゴリ感が衝撃的な代表曲「マイ・ネーム・イズ・マッド」。米オルタナ・チャートの9位まで上昇した。作者のクレイプールは「これはラヴ・ソングじゃない。ただの気持ち悪い話だ」とコメントしている(スピン誌1993年)。

↓ 本作からの2ndシングルとなった「DMV」。ベースのファンキーなスラップ&タッピングがカッコいい。陸運局で列に並ぶことや冷たい便座に座ること、マリファナに安らぎを求めることなど、日常的な活動の無意味さについて歌っているという。

(Goro)

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