ベック/ルーザー (1993)

Loser (Beck song) - Wikipedia

【90年代ロックの快楽】
Beck
Loser (1993)

もともとはブルースやカントリー、フォークなどのディープなルーツ・ミュージックをインディーズで細々とオタクみたいにやっていたベックは、トーキング・ブルースをドクター・ジョンの曲のサンプリングでヒップ・ホップ風に仕立て上げたユーモアあふれる怪作「ルーザー」を独立系レーベル、ボング・ロード・レコーズから2枚目のシングルとしてリリースした。

「ルーザー」がオルタナ系のラジオ局で人気を博すと、目をつけたメジャー・レーベル、DGCがベックに声をかけ、メジャー契約を果たした。

そして1994年2月に再びDGCからシングル「ルーザー」が再発売されると、全米10位の大ヒットとなった。

日本でもその特異なスタイルが大きな注目を集め、わたしもすぐに好きになった。

おれは負け組のダメなやつ
さっさと殺したらどうだ?
(written by Beck)

ベック自身が語るところによれば、自身のラップが下手くそすぎて「俺は最低のラッパーだ。殺してくれ」と思ったところからサビのこの有名なフレーズを思いついたと言い、深い意味はないらしい。

全体的にパロディ要素もありユーモアにあふれた曲なので、あまり真剣に論じてもしょうがないとは思うけれども、バブル崩壊後という時代の閉塞感にたまたまシンクロしたためか、サビのこの自虐的で絶望的なフレーズに注目が集まった。わたしもこのフレーズが気に入っていた。

絶望なんて誰だってしてる、そんな風に思えて足取りも軽くなるような、そんな曲だったのだ。

ちなみに、この曲は今でも演ってるのかなと思い、最近の彼のライヴのセットリストを調べてみたけれども、終盤のライヴのクライマックスになるあたりで、ちゃんと毎回演奏していた。

Beck – Loser (Official Music Video)

(Goro)